プロジェクト:Microsoft Windows以外のオペレーティングシステムをご利用の方へ
はじめに
このページは、Microsoft Windows(以下「Windows」)以外のオペレーティングシステム(以下「OS」)をご利用の方で、当サイトで公開しているプログラムを利用したい方へのご案内を行なうページです。
! 必ずお読みください ! |
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プログラムを他のOSで利用することへの考え方と、ページを作成した理由について
当サイトで公開しているプログラムは、基本的にWindowsで利用することを前提に開発しています。また、開発に使う言語やソフトウェア開発キット(SDK)についてもWindowsで利用することを前提としています。
しかし、macOSを搭載したコンピュータがアップルから販売されていること[1]、他のオープンソースなOSがインターネット上で広く公開されていることを踏まえ、当サイトでは「そのOSでWindowsアプリケーションソフトが利用できるならば、当サイトで公開しているプログラムを『サポートなし・動作無保証』を承知の上で利用してもかまわない」と考えています。
建前は「サポートなし・動作無保証」ですが、他のOSで利用できるようにする操作方法を提供するため、このプロジェクトページを作成しました。
オペレーティングシステム別の操作方法
以下の説明は、再起動を何度も行なうため、本ページを印刷してから行なうことをおすすめします。 |
macOSでの操作方法
Mac OS X v10.5 Leopardから、Boot Campという二次ブートローダプログラムが搭載されるようになりました。このため、macOS上で当サイトで公開中のプログラムを利用する場合、macOSをインストールしているハードディスク上にWindowsをインストールした上で利用することとなります。この場合、「Windows上で利用している」ものとみなし、「サポートあり・動作保証」の対象となります。これにより、仮想機械プログラムをインストールした上でWindowsをインストールして使用したり、後述するWineをインストールして使用したりすることは推奨しません。
- 用意していただくものは以下のとおりとなります。
- 「Boot Campアシスタント」を開き、画面の指示に従います。
- macOSが再起動すると、Windowsのインストーラが開きます。Windowsのインストール先を指定する画面で「BOOTCAMP」という名前のパーティションを選択し、フォーマットします。
- 画面の指示に従って、Windowsのインストールを最後まで進めます。
- macOSを再起動します。Windowsに切り替える場合、システム環境設定の「起動ディスク」パネルから起動ディスクを選択して、コンピュータを再起動します。
Classic Mac OSでの操作方法
Classic Mac OSでは、Microsoftが提供していたVirtual PC for Macという仮想機械プログラムを利用しますが、このプログラムは2006年8月末日を持って提供が終了されています。また、Windows 8以降のOSはインストールすることは出来ず、サポートもされません。更に、現在ではIntel MacとmacOSが主流となっていること、それと同時にClassic Mac OSのシェアが下がっていること、Windows XPのWindowsインストールメディアがネットオークションでしか入手できないことから、この節では過去の方法として記載しています。
- 用意していただくものは以下のとおりとなります。
- Mac OS 9.0以上のClassic Mac OSを搭載し、Virtual PC for Macをインストールしているコンピュータ
- Windows XP Home EditionまたはProfessional EditionのWindowsインストールメディア[2]
- Apple製キーボードとマウス又はトラックパッド
- Windows XP用に作成した仮想機械を起動します。
- Virtual PC for MacにインストールされているBIOSを調整し、デバイスにあるOSを探す順序を光学ドライブが最初になるようにします。
- Windowsインストールメディアを光学ドライブに挿入し、「Operating System Not Found.」とメッセージが表示された場合は、CommandキーとOptキーを押しながらEscキー[4]を押して再起動します。
- Windowsのインストーラが起動します。Windowsのインストール先を指定する画面では、事前に作成した仮想パーティションを選択し、フォーマットします。
- 画面の指示に従って、Windowsのインストールを最後まで進めます。
BSD及びLinuxでの操作方法
BSD及びLinux上ではWineという互換レイヤープログラムを利用します。このプログラムは、Windowsアプリケーションソフトが要求するダイナミックリンクライブラリ(Dynamic Link Library, DLL)のエミュレーションライブラリを供給し、また、Windows NTカーネルのプロセスを再現するすることにより、Windowsアプリケーションソフトをネイティブ動作させています。原則として、WineでWindowsアプリケーションソフトを動作させる場合はWindowsのコピー及びライセンスを得る必要はありませんが、エミュレーションライブラリだけでは動作が安定せずWindowsのDLLに置き換える場合は、Wineを動作させるコンピュータにもWindowsのコピー及びライセンスを得る必要があります。
また、Wineを利用するに当たり、Wineに搭載されているDirectX 9のランタイムをご利用いただき、DirectXはインストールしないでください。DirectXが直接ハードウェアをコントロールしてしまい、CPUやGPUなどのハードウェアを破壊する恐れがあります。
なお、CodeWeavers社から製品版とも言えるCrossOver Linuxが開発・販売されているため、そちらを利用するのも有効です。
- 用意していただくものは以下のとおりとなります。
- プログラムメニューから端末エミュレータを起動します。
- root権限でない場合は、
$ su -
と入力し、パスワードを入力します。 - root権限を取得したら、お使いのOSに応じたパッケージ管理システムのコマンドを入力します。例えば、以下のコマンドが挙げられます。
# apt-get install --install-recommends winehq-stable
(APTの場合)# dnf install winehq-stable
(Dandified Yumの場合)
- Wineをインストールした直後は日本語が正しく表示できないWindowsアプリケーションソフトがあるため、別にインターネットで公開されているフォントをダウンロードし、インストールする必要があります。ここでは、独立行政法人情報処理推進機構が公開しているIPAフォントを例に紹介します。以下から、一つのコマンドを入力します。
$ wget http://info.openlab.ipa.go.jp/ipafont/fontdata/IPAexfont00103.zip
$ wget http://info.openlab.ipa.go.jp/ipafont/fontdata/IPAfont00302.zip
- ダウンロードが完了したら、次のコマンドを連続して入力します。
$ unzip IPAexfont00103.zip
$ mkdir ~/.fonts
[7]$ cp IPAexfont00103/*.ttf ~/.fonts
- フォントの代替指定の設定を行います。テキストエディタでuser.regを開き、末尾に次の記述を追加し、保存します。たいていの場合、~/.wine/内にあります。
[Software\\Wine\\Fonts\\Replacements]
"MS Gothic"="IPA \x30b4\x30b7\x30c3\x30af"
"MS Mincho"="IPA \x660e\x671d"
"MS PGothic"="IPA P\x30b4\x30b7\x30c3\x30af"
"MS PMincho"="IPA P\x660e\x671d"
"MS UI Gothic"="IPA UI\x30b4\x30b7\x30c3\x30af"
"\xff2d\xff33 \x30b4\x30b7\x30c3\x30af"="IPA \x30b4\x30b7\x30c3\x30af"
"\xff2d\xff33 \x660e\x671d"="IPA \x660e\x671d"
"\xff2d\xff33 \xff30\x30b4\x30b7\x30c3\x30af"="IPA P\x30b4\x30b7\x30c3\x30af"
"\xff2d\xff33 \xff30\x660e\x671d"="IPA P\x660e\x671d"
ReactOSでの操作方法
ReactOSはWindows NT系とバイナリレベル・ドライバレベルでの互換性を確保することを目標として開発中のオープンソースのOSです。Wineプロジェクトと協力しているため、BSD及びLinuxを利用している場合のWineのインストールから設定するまでの煩わしさがないのが特徴です。また、Droid Sans Fallbackフォントが搭載されているため、日本語の表示にも難がないのも特徴です。しかしながら、多くの日本語のWindowsアプリケーションソフトが用いているShift JISを扱うアプリケーションソフトにはまだ対応していないこと、行の折り返しが出来ない問題があること、ロケール処理に実装されていないものがあることから、現時点ではまだ実用には堪えられない状態となっています。このため、このOSでご利用になる場合は人柱になる覚悟が必要です。
OS別操作方法の利点と欠点
ここまで、各OS別の操作方法を記述してきましたが、利点もあれば欠点もあります。ここではそれについて、表に簡単にまとめました。
macOS | Classic Mac OS | BSD及びLinux | ReactOS | |
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利 点 |
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欠 点 |
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- ↑ 単体で販売されているmacOSのパッケージを含みます。
- ↑ 2.0 2.1 初めてインストールする場合はフルインストール用のメディアが必要です。「アップグレード用」では上手くインストールできません。
- ↑ OS X El Capitan 10.11以降では、以下のモデルは用意する必要はありません。
- 2013年以降に販売されたMac Pro
- 2015年以降に販売されたMacBook Pro, MacBook Air, MacBook, iMac
- ↑ WindowsにおけるCtrlキーとAltキーを押しながらDeleteキーを押すことに相当します。
- ↑ FreeBSDのみ対応しています。
- ↑ Ubuntu, Debian, Fedora, Mageia, SUSE, Slackwareに対応しています。
- ↑ mkdirコマンドについては、すでにディレクトリが作成されている場合は飛ばしてしまって構いません。